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被災地の子どもたちのアートセラピー

2011/04/25
講師の宮崎です。

震災の様々な報道がされる中、
被災地の子どもたちに絵を描いてもらう
アートセラピーの報道を見ました。

ある子どもさんが、
画用紙いっぱいに
真っ黒に色を塗った絵を描いたため、
すごく心配だという内容でした。

絵の解釈的に、
子どもの心のケアの必要性を訴える報道ですが、

私は、
それはそうだけど…
という気持ちになりました。

なぜなら、

絵を描いた子どもさんのお母さんが、
インタビューを受けて、

「他の兄弟は色があるのに、
この子だけ真っ黒で…。
きっといろいろ不安を抱えているのだろうし、
私の接し方もこれでよかったのかと
なにをするのも考えてしまうんです。」

と不安げにコメントをしていました。

絵を解釈することで、
お母さんがすごく不安になってしまいました。

母親の不安は、
子どもさんをもっと不安にさせます。

さらに、
なぜか、レポーターが、
その子どもさんに

「どんなテーマで描いたの?」
「なんで描いたの?」
と理由を聞きたくて質問をしていまいた。

子どもさんが
「ただ、色を塗っただけ」
と困った感じで答えていました。

皆さんは、どう思われるでしょう?

こんな質問をされたら、
私だったら、
「なんか、描いてはいけないものを
描いてしまったみたいだ…。
お母さんも不安になっているし、
もう描かないでおこう。」
と思ってしまいます。

この対応では、子どもさんがかわいそうです。

真っ黒な絵を描いたことを全部受け入れて、
見守ってあげればいいのです。

アートセラピーは、
創作活動自体に
大きな癒しや心の浄化作用があります。

解釈は、援助者側のやりたいことであって、
子どもたちにとっては必要ないことです。

夢中に描いたことで
心は浄化されているのに、
母親が不安になり、
レポーターが意味ありげに質問する…
では、真っ黒な絵は二度と描けなくなります。

その真っ黒なものがどこにいくのか…。
そのほうが怖いです。
きっと心の内側にどんどん
たまっていくと思います。

子どものありのままの今を
無条件に受け入れる姿勢…。
カウンセリングで学ぶ
「受容」と言えます。

見守る力…
援助者として肝に銘じたいと思います。
 

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