2013年の新春を迎え、
心からお慶び申し上げます。
昨年中は、ひとかたならぬ
ご支援、ご愛顧を賜り、厚くお礼申しあげます。
昨年は、
個人的には変化の1年と言えますが、
当協会も、
新しい体制で、様々な取り組みを始めた
変化の1年でした。
2013年はどんな年になるのでしょうか?
初詣に行かれる方も多いかと思いますが、
日本における最高神である天照大神が
祀られている伊勢神宮は、
20年に1度、お宮の移転・建て替えをします。
「式年遷宮」と言うそうです。
なんと1300年ほど前から続いています。
今年は、21世紀に入り、
初めての式年遷宮が行われる年となります。
奈良県の法隆寺は
世界最古の木造建築として存在しているし、
1300年続く建物を作る技術はあっただろうに、
なぜ、壊す必要があったのか?
100年とか50年とかではなく、
なぜ20年に1度なのか?
現代的にいえば、
世代間における技術伝承のためというのが、
一番合理的で論理的な理由なので、
現代人は納得しやすいのではないでしょうか。
ただ、21世紀に入り、合理性、論理性といった価値観が
通用しない事態に陥っています。
そんな時代に、
私はカウンセリングを通して、
人間の内的世界に触れてきました。
こころの成熟・成長の過程において、
必ず、起こるのは、
「創造のための破壊」 です。
こころを創造、再構築するためには、
破壊という過程が必要になります。
こころが不調を起こす時、
それは、
長年、必死に生きて、
創り上げてきた自分という存在が、
実は、偽りの存在であると気付い時、
創り上げてきた自分では適応できなくなった時、
ごまかし、生きてきた何かが心身を蝕んできた時、
そんな時に、
人は、
こころと向き合い、
自分をみつめる時間をもちます。
そのお手伝いをするのがカウンセラーです。
創造のための破壊は痛みを伴いますが、
残念ながら、それは当たり前のことです。
楽をして、
新たな自分を創造しても
それは偽りでしかありません。
偽りでも通用する時代であれば
よかったのですが、もう通用しません。
痛みは誰もが嫌ですから、
思わず、悲観的になりそうですが、
その大きな痛いに耐え、
成長する力があるからこそ、
実は、こころを病むことができるのです。
私は、うつ病を経験したとき、
上司から、親から、友人から、
「怠け病だ」
「こころが弱い奴がなるんだ」
「純粋でこころが優しいからなるんだよね」
などと言われたことを思い出します。
しかし、うつ病を乗り越え、
今、カウンセラーとして、
こころの痛みに立ち向かうクライエントの
成長過程に一緒に居させていただく中で、
強く思うのは、
「弱いからではない、
強いからこそ、病気になるんだ。」
という真実です。
2013年は、意識のうえでは、
まだ不安と混沌の中にいる感じがしますが、
式年遷宮の年という意味では、
新たな20年が始まります。
それは、 きっと、破壊が終わり、
創造するときが来たと思えます。
今、ご挨拶を書きながら、ふと、偶然、
「あっ、自分は1973年生まれ」と気付きました。
そうだったんですね、わたしは、
式年遷宮の行われた年に生まれたわけです。
だから、今年40歳になります。
勝手に想像を膨らませていただくと、
式年遷宮にかこつけて、2013年は、
自分自身にも、きっと、破壊と創造の
サイクルの時期がきているようにと思えてきました。
私の中で内省し、
熟成させてきたものを
2013年は、
外へ発信していくことの
意義、意味、重要性を痛感します。
当協会として、
こころに関する発信を通して、
心の豊かさや安らぎ、
生きがいや遣り甲斐の創造に
貢献すべく、微力ながら精進する所存です。
本年も、引き続き、温かいご支援を賜りますよう
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人コアカウンセリング支援協会
理事長 宮崎 勝博
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