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2013冬会報より 理事長挨拶(父の死とグリーフワーク)

宮崎理事長 2013/03/17
名古屋で約20年 信頼ある心理カウンセリング専門校
コアカウンセリング支援協会

理事長 宮崎勝博  会報冬 挨拶 2013.2

拝啓    
梅のつぼみがほころぶ季節となり、春の訪れが待ち遠しく感じます。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

私事ですが、昨年9月に父を肺がんで亡くしました。
その際には、多くのコアの皆様に温かいお言葉や心配りをいただきました。
改めて、御礼を申し上げますとともに、
人の痛みを理解する素晴らしい方々の存在に大変感謝しております。
本当にありがとうございました。

皆様のおかげでなんとか協会運営をしているわけですが、
父の死を境に生と死について考える自分が高まっています。
「グリーフワーク」という言葉をご存知ですか?(つづく)


身近な人と死別して悲嘆に暮れる人がたどる心のプロセス」
「悲しみから精神的に立ち直っていく道程」 
「喪の作業」 「癒しの作業」

などと言われています。

かくいう私も、今、グリーフワーク中ということになります。
最初に父に関して考えたことは、
父を亡くしたのに涙が出ない自分がいることです。

通夜・葬儀・火葬場でも泣けません。
きっと喪主としての責任と忙しさで悲しみどころではないのだろうと
思っていましたが49日法要を終えても涙が出ません。
49日法要後、母が
「勝博はお父さんが死んでも一度も泣いてないよね。
お父さんに似て冷静なんだわ。」とチクッと嫌みをいうわけです。

心理学を学んだ者としては、
「はいはい、やはり、きましたね、この感じ」と
受け止め、振り回されないようにするのですが、
自分なりに泣けない違和感は持ち続けていました。

2月に入り、とうとう泣くときがやってきました。

それは、葬儀のときに
思い出の写真とともに流した曲を聞いた時でした。
父の好きな曲を選んだくださいと言われたのですが、
正直、音楽はそれほど好きではない父。
母も姉も決めないので、私が直感で決めた曲でした。
夜中、ふとその曲を再生したとき、
その歌詞が父の言葉なんだと心から感じたとき、
気づけば号泣していました。

もうすぐ四十路になる私が、
子どものように父にしがみつくように号泣しました。

父が死んで初めて子どもでいることができた瞬間でした。

こんなに泣いたのは高校時代の親友が自殺したとき以来です。

彼を救えなかった想いが今の仕事にもつながっているわけですが、
そのときも、そういえば、なぜか泣けませんでした。
死を知ったときは頭が真っ白になりました。
目の前のことをこなすので精一杯でした。
数週間後、友人と訪れたカラオケで偶然見つけた曲が、
なんと私が苦しんでいたときに
親友がくれたカセットテープに入っていた曲でした。
自然と入力し、歌い出した時、号泣したのです。

言葉やメロディーにはすごい力がありますね。

カウンセラーは
言葉を使いクライエントの問題や悩みを
解決しようと試みるわけですが、
その力の偉大さを再確認しています。

グリーフワーク・・・大切な作業なので、焦らず、
自分のペースを大切にしながら続けていこうと思っています。

今後も
温かいご支援を賜りますよう
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。    敬具

特定非営利活動法人コアカウンセリング支援協会 
理事長 宮崎勝博
 

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