ご挨拶
(ストレスチェック義務化とサイコパスについて)
拝啓 日ごとに秋の気配が濃くなっていますが、
皆様、夏の疲れなど出ておられないでしょうか?
体が疲れると、こころも何だか憂うつになりがちですよね。この時期、
体だけでなく、こころのケアの必要性も強く感じるわけですが、
皆様に大切な情報があります。
実は、H26年6月に企業における ストレスチェックを義務化する
法案が成立しました。 H27年12月までには施行する予定です。
メンタル不調者の増加率の割になかなか進まない国のメンタルケアを
推進するためにとても良い機会だと感じます。
ただ、実際の運用となると様々な問題点もあり、
今、専門家検討会で 具体的な方法を詰めているところです。
そんな折、ふと、私は、「サイコパス」というアニメを思い出しました。
以前、ある受講生の方から教えていただいた作品です。
この作品のタイトルになっている「サイコパス」は心理学用語としては
「精神病質者」という意味ですが、
このアニメでは
「人間の精神状態を科学的に分析し数値化したデータ」と なっています。
約100年先の仮想日本社会が描かれています。
日本国民はサイコパスを計測の上、公的にデータは記録・管理され、
各自の適性や嗜好・能力に合わせた情報を事前に得て、
運や選択ミスに左右されない
最適で幸福な人生を送ることができる
社会システムが構築されています。
ストレス過多や悲観的な思考により精神状態が濁ってくると、
日常的に メンタルケアを受けることができ、
犯罪もほとんどない平和な社会が 実現されているわけです。
アニメの話ですがとても興味深い内容です。
ご興味のある方は、 ぜひ、一度、ご覧ください。
私は、このアニメをみて、約100年後、 科学技術は人のこころを
解析できるほど進歩するのかもしれないと ワクワクする反面、
人は、苦しみや悲しみや悩みがなくなれば幸せなのか?
誰かに、何かに、最適だと言われて、仮にそれが本当に
最適だとしても、そんな人生を歩んで本当に幸せになれるのか?
心理カウンセラーとして、
クライエントの方々の苦しみや悩みをお聴きしながら、
死にたいほどの苦しみの奥に、
光り輝く宝物があることを知っている分、
なんだか苦しみや悩みのない世界を目指すことに
釈然としない自分がいます。
何が良くて、何が悪いのか?
と基準を決めてもらうことや
真実の答えがあることが重要ではなく、
その悩みや葛藤を、
自分で抱えて、
悩んで、引き受けることこそが、
人生を歩む上で最も大切なことではないかと思う自分がいます。
とはいえ、人間は弱いものです。
1人では本当の自分に向き合うことができません。
だからこそ、心理カウンセラーが必要です。
当協会は長年心理カウンセラー養成講座を開催してきました。
コアピアカウンセリング制度を開始し、
コアピア制度で経験を積んだカウンセラーが
正式な心理カウンセラーとして活動を始めています。
日本がメンタルケアの第一歩を踏み出す中で、
当協会としてできることを模索しながら、
今後も、カウンセリングの普及に力を入れ、
こころに寄り添える人財育成を続けていきたいと思っております。
会員の皆様には、
常日頃から当協会の理念にご理解をいただき、
誠にありがとうございます。
引き続き、変わらぬご支援ご厚情を賜りますよう
宜しくお願い申し上げます。 敬具
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